いとし横つら 魂 ディダバディ

雨降り。

早起き。

朝風呂で目が醒めた。

 

雨の具合を聞きながら荷造り。

あんまり酷いようならゆっくりチェックアウトでもいいかな。

いやいや、折角函館にいるんだし朝市も行きたいな。

と考えが行ったり来たり。

 

小降りなようなので、出発することに。

市電にがたごとと揺られて函館駅前へ。

乗るのは最後かなと思うと、速度が遅くていつまで経っても着かないことすら愛おしくなる。

時たま遠くに五稜郭タワーが見えるのもよかった。

 

駅のコインロッカーに荷物を預け、朝市へ。

あちこちの店を見て歩く。

イカ釣りが何箇所かあるとは知らなかった。

いつか釣ってやろうかね。

 

小ぶりの丼を安く食べられるお店に入る。

五色丼、イカ刺し丼を注文。

朝から鱈腹食べた。

満足。

 

腹ごなしに摩周丸を見学。

海風が吹き込んできて、気持ちがいい。

古い機器にときめく。

汽笛のボタンは遠慮なく押下。

ブオーと鳴ると結構楽しい。

双眼鏡で、停泊している豪華客船がよく見えた。

 

時間もあるし行ってみようかと金森倉庫へ。

段々晴れて暑くなってきた。

脚もなかなかのぼろぼろ。

ラッキーピエロのマリーナ末広店へ。

コーヒーゼリーの載ったソフトクリームとホットコーヒーを注文。

海辺の席で寛ぐ。

 

倉庫街を眺めながら十字街まで歩く。

ちょうど市電が停まっていたので、慌てて乗り込んだら逆方向だった。

次の停留所で降りて駅方面に折り返す。

 

大急ぎで朝市に戻り、心残りの活きイカ刺しを食べる。

とてもおいしかった。

できればもう少し落ち着いて食べたかったが。

 

プティメルヴィーユでいちごのバターサンド、駅でイカめしと五勝手屋羊かんを土産に買う。

もうやり残したことはないと荷物を拾ってホームに向かう。

車窓から駒ケ岳や海を眺める。

本を開いて、音楽を聴いて、気持ちよくうとうと。

 

札幌到着。

もう歩けないとホテルに直行。

チェックインしてひと休み。

 

夕飯は布袋のザンギ定食。

ざくざくの衣がおいしいったらない。

デパ地下で明日のパンを買い、共済ホールへ向かう。

 

エレベーターに同乗したご婦人たちが50代後半から60代と思われて、あれ?年齢層高い?と内心どきどき。

会場に着くと他の年代の方もたくさんおられた。

物販でグッズを買う。

落ち着かないが開演まで座席で待つ。

早く始まって欲しいような、始まったら終わってしまうから始まって欲しくないような。

とうとうこの日が来たのだな。

 

1曲目はスペル。

何度も聴いているけれど、始まると空気が変わる楽曲だと思う。

アンコールで唄った、オールドレインコートにぶるぶると心が震える。

あぁもう全部持ってかれた、という感じ。

もの凄く集中して聴いて観ていたら、あっと言う間に終わってしまった。

ディダバディとは、呪文のことばだったのか。

 

高揚した心を持て余し、夜の札幌を散歩。

ホテルに戻って眠ろうにも、なかなか眠りに就けなかった。