夢を見なさい僕の膝で

気持ちが沈む朝。

昨日の揺り戻しみたい。

ゆるゆる動き出してコーヒー淹れる。

父がいつも、なんでお前が淹れるとおいしいんだろうなぁと言ってくれていた。

今は家にはいないけれど、気分は一緒に飲む。

 

帰る準備。

時間が余ったので、少し家事して祖母の初盆の提灯を出す。

 

駅でお土産にシュークリームとチーズケーキを買う。

とんかつは夕飯も兼ねて。

 

JRを降りる間近に母より連絡。

15時過ぎに父が息を引き取った。

一旦家に帰り、明日改めて実家に向かう。

バスに乗り換え、高田渡細野晴臣を聴きながらただただぼんやり。

現実感がないというか、色んな記憶や感情がぶつかり空中分解した後、思考停止という感じ。

 

家に着いて荷を解いて荷造りし直し。

義理の母からLINEが届く。

気遣いに泣ける。

何だかふわふわしているけれど、手を動かしている間は正気でいられる。

 

とにかく。

今回の面会まで父が待っていてくれたこと、昨日笑ってくれて幸せな気持ちにしてくれたこと、多分最後の姿は辛かろうとわたしには見せないで逝ってくれたこと、全部全部ありがとね。

病院のはからいで、母と兄は最期のときまで立ち会えたとのこと。

お父さん、大好きなお母さんと最期まで一緒にいれてよかったね。

好きなものたくさん食べて、懐かしいひとに会って、好きなところに遊びに行ったらいいよ。

好きな写真もまた撮って。

愛情をいっぱいくれてありがとう。

何度も許してくれてありがとう。

安らかに眠ってください。