僕の吐く溜息は君の吐く煙になった

眠れたような眠れなかったような。

実家へ向かうバスで眠る。

母と兄に迎えてもらう。

 

葬儀の準備。

遺影の写真を選ぶ。

きりっといい顔の写真が見付かった。

棺にいれてもらう父が好きなコーヒーとケーキ、愛用のカメラなどの写真を印刷。

あとは愛用していた筆と墨。

祭壇に飾ってもらう父の書の作品も選んだ。

 

葬儀場でお線香をあげ、父と対面。

眠っているよう。

随分肩が薄く小さくなっていた。

77年お疲れさまでした。

 

葬儀場の方と打ち合わせ。

帰りに父の好きな蕎麦を食べて帰る。

 

母と色んな話をする。

悔いたり泣いたり笑ったり。

母が結婚当初から、一日でも自分より長く生きて自分を見取って欲しいと折に触れて父に言っていたというのを初めて聞く。

その時には、いつもの顔で笑っていたと。

父はきっと幸せだったんだなぁとなんだか安心した。

 

父と歩いた道を今日も夕涼みがてら歩いた。