この惑星に酒を飲ませて眠らせてやろう一晩くらい

暑さに少し慣れてきた。

仏間の掃除。

ついでにそこら辺に掃除機かける。

床の汚れも水拭き。

相変わらずあまり役に立たないことに時間をかけている。

 

父のお通夜。

白い花で統一された祭壇に父の書を飾っていただく。

遺影もいい顔。

納棺で足袋を履いて脚絆を着けて杖持って。

旅に出るんだね。

手を握る。

お父さんの手だった。

お化粧もしてもらって本当に眠っているよう。

戒名にわたしの名前の一文字が入っていた。

 

お通夜中はお父さんに何を言ったら笑うかな、今どんな感じで見てるかな、など考えていたらあっという間に終わっていた。

何だか気が抜けて、ものすごくお腹がすいた。

 

ひとりで少し夜をうろつく。

今夜は父と一緒に家族みんなで眠る。